2012年10月3日水曜日

環境税導入を契機に、再度、個別消費税を考える!  その2

環境税と石油諸税との関係は!?


ここで時計の針を20164月に進めてみたいです。20164月には環境税は完全実施され、消費増税も完全実施されて10%になっています。20164月に車を運転して、ガソリンスタンドでガソリンを給油したと想定します。その時、ガソリンスタンドの入口に示されたガソリンの価格は1リットルあたり140円でした。「オッ!これは安いぞ!」と50リットルの給油をします。代金は、ガソリン代7,000円プラス消費税(10%)700円の7,700円でした。7,700円の計算は容易くできましたが、1リットルあたり0.76円の環境税がどのように課せられているのか判りませんでした。そこで環境税の取扱いをしらべました。その結果、驚愕の事実がわかりました。


7,700円の代金の内、税金は700円ではなく3,530円もあるのです。内訳は、ガソリン税、石油石炭税、環境税(「石油諸税」と呼びます)の合計2,830円と消費税(10%)700円です。2,830円もの多額の石油諸税について検討します。

多額の石油諸税は国の歳入のどれぐらいを占めているのでしょうか。この分析を2016年の予想予算額を使用して実施することは、当該予想予算額が手許にないことから無理です。そこで、現実に戻って、この分析が可能な直近年度の数値を利用することにします。分析可能な石油諸税の内訳は、2008年度予算案から入手することが出来ました。そこで2008年度予算案の数値を利用して行います。環境税がもたらす歳入は含まれていませんが、石油諸税の全体像は十分把握できると考えます。


石油諸税の国家予算に占める割合は・・・

この石油諸税の国家予算に占める割合はどのくらいなのでしょうか。2008年度(平成20年度)予算によれば、国税収入の合計は551,399億円。内訳では所得税の29.5%、法人税30.3%、消費税19.4%に続き、石油諸税6.9%という非常に高い割合となっています。ちなみに税金を飲んでいると言われる酒税は2.8%、タバコ税2.0%、また相続税の2.8%より遥かに多いことを国民の皆様は、ご存知でしょうか。また自動車関連という意味では、自動車重量税1.9%もあるので、石油+自動車では、8.8%も負担しているとも言えるでしょう。


  

石油の税金は一体何に使われているのか


 

 石油諸税が課されている主な理由は、道路を建設して社会インフラを充実させることでした。石油諸税の歳出は、一般会計を通して大部分が特別会計に移されます。上記石油諸税の使途、道路整備4600億円は、道路整備特金から支出されます。4600億円の予算の執行は監督官庁である国土交通省が行います。今の日本で道路建設・整備に4600億円ものおカネが必要であるとはだれも考えません。それでも、毎年、4兆円近い金額が道路建設・整備に使われていました。不要不急の建設が多くあったと想像されます。このような背景の下、2009年度より道路整備特金は廃止され、それら税金は一般財源化されました。
それら税金の一般財源化は正しい方向でしょうか!? そう、とは考えません。道路を建設して社会インフラを充実させるという目的をほぼ達成した現在、その目的税は廃止すべきと考えます。4600億円ものおカネを目的外に流用することは、許されることとは考えません。更に、憲法が定める租税法律主義の精神からも反する行為と考えます。

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