2012年9月26日水曜日

環境税導入を契機に、再度、個別消費税を考える!  その1

環境税とは!?


 2012101日に地球温暖化対策のための税(環境税)が導入されます。ガソリンは1リットルあたり0.25円の増税となります。環境税は、10月から税負担が1リットルあたり0.25円、144月に0.25円、164月に0.26円と3段階で増えます。完全実施後は1リットルあたり0.76円の環境税が課せられます。環境税は原油や天然ガスなどにかかる石油石炭税に一定額を上乗せするものです。
別の言い方をすれば、石油石炭税の増税です。環境税は、ガソリンの原料である原油のみならず、液化天然ガス、石炭に対しても課せられます。つまり液化天然ガス、石炭を原料とする電気代、ガス代に影響があります。2012913日の日経朝刊の記事を抜粋します。

101日導入の環境税が家庭用の電気代や都市ガスなど燃料費に上乗せされると、1世帯あたり年間1200円程度の負担増になる。産業用も含め全ての製品で価格に転嫁されると、負担増は1世帯平均で年5000円程度になる。原子力発電所の停止に伴うLNGの輸入増は一段の税負担増につながる。】
 
 
 このような家計の負担増をもたらす環境税の目的について、説明が必要です。そこで、環境省の説明を抜粋します。
l 「環境税」は、税制による地球温暖化対策を強化するとともに、エネルギー起源CO2排出抑制のための諸施策を実施していく観点から導入するものです。具体的には、原油やガス、石炭といった全化石燃料に対して、CO2排出量に応じた税率を課すものです。地球温暖化の防止は人類共通の課題であり、あらゆる人に利益をもたらすものです。従って、そのための負担は、エネルギーを利用する方全体で幅広く公平に担っていくべきと考えています。
l こうした「受益と負担」の関係に着目し、温室効果ガスの9割を占めるエネルギー起源CO2の原因をもたらす全化石燃料に対し、「広く薄く」公平にCO2排出量に応じた課税を行うこととしました。
l 温室効果ガスを削減するという観点から、化石燃料やエネルギーに課税する環境税は、欧州を中心に導入が進められています。1990年には、世界で初めて、フィンランドにおいて、いわゆる炭素税が導入され、その後、スウェーデン、ノルウェー、デンマークといった北欧諸国やオランダで導入されました。現在では、ドイツ、イタリア、イギリス、フランス、スイスやカナダの一部の州でも課税されています。これらの国々では、それぞれの国の実情に応じた様々な方法で導入に至っています。

つまり、「京都議定書」で定められたCO2削減対策の一環として環境税が導入されました。しかし、経団連は、環境税を導入しなくてもCO2削減対策は十分とれるとの立場をとっています。2006年ですが経団連は、環境税のもたらす悪影響についてまとめた資料を作成しているので抜粋します。

悪影響1:家庭と企業にダメージ
「環境税」導入によるさらなるコスト増は、企業のみならず、国民全体を苦しめます。その上、経済成長を促進し、わが国経済の国際競争力を強化しなければならない中、その流れを妨げ、逆行させるおそれがあります。
原油価格の上昇はすでに社会全体に影響を与えています。さらに「環境税」が導入されれば、家庭や企業をいっそう苦しい立場に追い込みます。
悪影響2:企業の自主的な取り組みの基盤を阻害
「環境税」の導入は、日本経団連の「環境自主行動計画」の目標に向けて、中長期的視野に立ち、設備投資などに多額のコストをかけてきた企業に対してさらなる負担を強いるものです。「環境税」は企業の設備投資や研究開発の原資を奪い、これまで大きな成果をあげてきた自主的な取り組みの基盤を損ねます。今後、エネルギー効率の高い機器・設備の普及と置き換わりが進めば、2020年には世界全体で約37億トンのCO2排出を抑制できる可能性もあります。
悪影響3:地球規模での温室効果ガスが増大
わが国のエネルギー効率は世界最高水準にあります。他のどこの国に生産が移転しても、温室効果ガスの排出量増大につながります。
「環境税」導入により、わが国よりエネルギー効率が低く、「環境税」のない近隣諸国での生産活動が増えれば、結果的に地球規模での温室効果ガスの排出量増大と国内産業の空洞化を引き起こすおそれがあります。

原子力発電所の停止に伴うLNGの輸入増は一段の環境税の負担増につながることを考えると、私見ですが、「今、環境税か!?」が率直な意見です。

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